東京大学医学部皮膚科・准教授
菅谷 誠
当科ではアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬の新規ターゲット分子を探索するため、診断確定のために生検し た皆様の皮膚および皮膚良性腫瘍切除を受けた皆様の皮膚の残検体を用いて、皮膚バリアや皮膚のターンオ ーバーの機能を担う分子の発現を検討致します。
【対象となる方】
2012 年1月1日以降に当科でアトピー性皮膚炎、尋常性乾癬の診断確定のために生検した皆様および皮膚 良性腫瘍切除を受けた皆様のうち、残検体を研究目的に使用することに文書にて同意された方
【研究の意義・目的】
この研究は、診断確定のために生検した皆様の皮膚から RNA を抽出して解析することを通じ、「アトピー性 皮膚炎」、「尋常性乾癬」をより正確に理解することを目指すものです。
RNA とは、人間の身体を形成する蛋白質の鋳型となるものです。RNA は設計図にあたる遺伝子(DNA)を基 に作られますが、DNA とは異なって親から子へ遺伝するものではありません。RNA の発現量は蛋白質の量にほ ぼ比例すると考えられており、病気の皮膚と正常な皮膚では、様々な蛋白質の RNA 発現量に違いがあると考 えられます。これまでにも、アトピー性皮膚炎の病変部のでは、フィラグリンに代表される皮膚のバリア機 能に関する分子の発現が低下していることが報告されています。
つきましては、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬をお持ちの皆様の病変皮膚および皮膚良性腫瘍切除を受け た皆様の辺縁皮膚について、皮膚における様々な分子の RNA の発現を調べされていただきます。今回の研究 は、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬がおこるしくみをより正確に理解できるようになるものであり、新しい 治療法や予防法の確立につながることが期待されます。
【研究の方法】
過去に行われた皮膚生検、腫瘍切除の残りの組織を使用します。既に残検体を研究目的に使用することに 文書にて同意された方のみが対象となっています。この研究によって新たに生検を行うことはありません。 これらの組織に含まれる RNA を取り出します。対象となる遺伝子は、皮膚バリアや皮膚のターンオーバーの 機能を担う分子約 270 種類です。
【研究機関名及び研究責任者氏名】
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです。
研究機関
東京大学大学院医学系研究科
皮膚科・皮膚光線レーザー科
研究責任者 菅谷 誠・皮膚科・皮膚光線レーザー科・准教授
担当業務:研究総括、データ取得
【共同研究機関】
マルホ株式会社
担当業務:データ解析、資金提供、成果を用いた発展的研究
この研究は、東京大学倫理委員会の承認を受けて実施するものです。なお、この研究に関する費用はマル ホ株式会社共同研究費から支出されています。
【同意の撤回について】
今回使用させていただく検体の対象は、以前の当科での臨床研究に際し、提供した資料(試料)等が、長 期間保存され、将来、新たに計画・実施される研究に使用されることに同意された方のみとなります。本研 究に保存検体のデータが使用されることを希望されない場合、除外致しますので、お手数ですが下記までご 連絡下さい。
【同意撤回の問い合わせ、苦情等の連絡先】
東京大学医学部附属病院皮膚科
准教授 菅谷 誠
住所:東京都文京区本郷 7-3-1
Tel:03-5800-8661 Fax:03-3814-1503
Email でのお問い合わせ:sugaya-tky@umin.ac.jp
医療機関名
東京大学医学部附属病院
診療科名
皮膚科・皮膚光線レーザー科
診療科責任者名
佐藤伸一