東京大学医学部附属病院で悪性黒色腫に対してニボルマブもしくは ペムブロリズマブ単剤療法を受け病変が完全に消失された方へ
【研究課題】
CR 患者における抗 PD-1 抗体治療中止後の効果持続についての後方視的研究 (審査番号:2020113NI)
【研究機関名及び本学の研究責任者氏名】 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学大学院医学系研究科 皮膚科学 研究責任者 宮川卓也(皮膚科学、特任講師) 担当業務 データ収集・匿名化・データ登録
【共同研究機関】
研究機関 全国23施設(最終ページに記載) 担当業務 データ収集・匿名化・データ登録
主任研究施設である札幌医科大学においてはデータ解析も行います。
【研究期間】
倫理審査委員会承認後〜2021 年 12 月 31 日
【対象となる方】
2014 年 9 月 1 日から 2019 年 7 月 31 日までに、進行期悪性黒色腫に対して当院で抗
PD-1 抗体単独療法(ニボルマブもしくはペムブロリズマブ)を受け、病変が完全に消失 された方
【予定症例数】研究全体で 50 例、当院からは 2 例程度を見込んでいます。
【研究の目的】 進行期悪性黒色腫に対する免疫療法として、日本において保険承認が得られており、
かつガイドラインにて第一選択とされている治療の中に抗 PD-1 抗体単独療法がありま す。日本人の進行期悪性黒色腫に対して、抗 PD-1 抗体単独療法がどの程度の効果があ り、どの程度の副作用が出るかのデータは存在しますが、一方で効果があった患者さん にいつまで治療を継続すればよいかについては現在のところ分かっていません。本研究 では、抗 PD-1 抗体単独療法を施行し病変が完全に消失された方(医学的に「CR」と言 います)を対象として、カルテに記載された情報を精査し、解析を行います。副作用な どの理由で治療を中断した方の再発の有無や再発までの期間を、治療を中断していない 方と比較することや、病変が完全に消失してからの治療期間と再発までの期間との関連 を調べることで、どれくらいの期間治療を続ければよいのかに関して知る手がかりに したいと考えています。 悪性黒色腫は欧米に比べて本邦での発生数は少なく、単一施設での症例集積が困難な腫 瘍の一つです。そのため、多施設の症例を集積して解析を行うことが望まれます。
【研究の方法】 この研究は、東京大学医学部倫理委員会および主任研究施設である札幌医科大学の承
認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。これまでの診 療カルテに記録されている、年齢、性別、病型、転移部位、血液検査データ、前治療の 有無、抗 PD-1 抗体薬の種類、完全に病変が消失するまでの薬剤投与期間、消失後の薬 剤投与期間、治療中止の有無、中止の理由、再発の有無、再発までの期間などのデータ を収集して行う研究です。分担研究施設である当院からは、上記登録項目を列挙した Excel ファイル内にデータを入力し、パスワードをかけます。パスワードをかけた Excel ファイルはデータ解析のため、主任研究施設である札幌医科大学に電子的配信を行いま す。
【研究に参加することにより予想される利益と不利益】 この研究が、あなたに直ちに有益な情報をもたらす可能性が高いとはいえません。し
かしながら、この研究によって病変が完全に消失した後にどれくらい治療を続ければよ いのかが示唆され、さらなる大規模な症例数もしくはランダム化比較試験でそれを示す ことができれば、将来的に治療をずっと継続する必要がなくなる可能性があります。そ れにより副作用を起こすリスクの軽減や医療費の削減につながると考えています。 一方で本研究に参加することによって生じる身体的不利益はありません。個人情報とひ もづいた病状などが情報漏洩した場合に心理的負担をかけるリスクがあるため、以下 【個人情報の保護】、【研究終了後の情報の取り扱い方針】の項目で示すように、外部に 漏洩することがないように、収集した情報・データ等を慎重に取り扱います。
【個人情報の保護】
あなたの情報・データ等は、札幌医科大学へ送付する前に ID 等の個人情報を削り、
新たに番号を付与し、どなたのものか分からないようにした上で、当研究室において、 研究責任医師である宮川卓也(以下問い合わせ先に記載)が、インターネットにつなが れていないパスワードロックのかかるスタンドアローンのパソコンで厳重に保管しま す。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行 い、結果をあなたにお知らせすることもできます。
【研究終了後の情報の取り扱い方針】 収集した情報、データは原則としてこの研究のためにのみ使用し、当研究室にて研究
期間終了後 5 年間保管します。また主任研究施設である札幌医科大学において、全国の 各施設から提供を受けた情報を解析し、研究終了後 5 年間保管します。収集した情報の 授受の記録の管理体制に関して、本学および札幌医科大学にて研究終了後 5 年間保管し ます。情報、データは保管期間終了後、各施設の研究責任者がデータ削除ソフトを用い て適切に廃棄します。
【研究参加の任意性】 この研究のためにご自分(あるいはご家族)のデータを使用してほしくない場合は主
治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局まで 2020 年 12 月 31 日までにご連絡くだ さい。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせて頂きます。なお 研究にご協力いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
【研究結果の公表・開示】 研究結果は、個人が特定出来ない形式とし、学会等で発表されます。なお研究データ
を統計としてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記 までご連絡ください。ご不明な点がありましたら主治医または研究責任者へお尋ねくだ さい。
【研究から生じる知的財産権の帰属】 本研究の結果として特許権などが発生する可能性はなく、研究によって得られる経済
的利益はないものと考えられます。
【費用負担や謝金について】 この研究に関する費用は、東京大学皮膚科運営費から支出されています。あなたに新
たに負担いただく費用はありません。また本研究に関して、開示すべき利益相反関係は ありません。なお謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、 お気軽に下記の連絡先までお問合わせください。
【研究責任医師/問い合わせ先】
東京大学医学部附属病院 皮膚科 特任講師 宮川卓也 住所:東京都文京区本郷7-3-1 電話:03-5800-8661(内線30451) FAX:03-3814-1503
2020年7月
共同研究施設一覧
札幌医科大学 皮膚科 旭川医科大学 皮膚科 北海道大学 形成外科 筑波大学 皮膚科 埼玉医科大学 皮膚科 埼玉医大国際医療センター 皮膚腫瘍科 埼玉県立がんセンター 皮膚科 東京大学 皮膚科 国立がん研究センター 皮膚腫瘍科 慶應義塾大学 皮膚科 がん・感染症センター都立駒込病院 皮膚腫瘍科 新潟県立がんセンター新潟病院 皮膚科 富山県立中央病院 皮膚科 信州大学 皮膚科 静岡がんセンター 皮膚科 名古屋大学 皮膚科 大阪国際がんセンター 腫瘍皮膚科 京都大学 皮膚科 九州大学 皮膚科 国立病院機構九州がんセンター 皮膚腫瘍科 福岡大学 皮膚科 熊本大学 皮膚科 鹿児島医療センター 皮膚腫瘍科
主任施設:札幌医科大学(役割:研究事務局、データ収集、匿名化、登録、解析) 分担施設:当院および上記他施設(役割:共同研究施設、データ収集、匿名化、登録)