レーザー外来
診療内容
原則として保険適応のある疾患の治療を行っています。保険外診療は行っておりません。
保険適応のある疾患は、単純性血管腫、乳児血管腫、毛細血管拡張症、太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性刺青などです。
パルス色素レーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー、Qスイッチルビーレーザー、炭酸ガスレーザーを有し、
入院での全身麻酔下での治療、外来での治療いずれにも対応しております。
レーザー治療
赤あざ、青あざ、茶あざ、皮膚腫瘍に対するレーザー治療を行っております。
乳児血管腫に対する
プロプラノロール内服療法
乳児血管腫(いちご状血管腫)に対して入院もしくは外来でプロプラノロール治療の導入を行っております。
外来日
火曜日午前・午後
金曜日午後
レーザー外来受診を希望される方は、まず皮膚科の初診枠で受診ください。
初診医がレーザー治療の適応があると判断した場合、レーザー外来受診となります。
使用機器
パルス色素レーザー
Vbeam Prima
2021年3月よりVbeamⅠからVbeam Primaに変わりました。
特徴
7-15mmのスポット径
レーザーを1度に照射できる大きさ(スポット径)はこれまでは10mm径でしたが15mm径と大きくなり、1回あたりの治療時間の短縮と深部までレーザー光が到達できるようになりました。
サブパルス数が倍
VbeamⅠにくらべサブパルスが倍になったため、副作用が少なく治療を行うことができるようになりました。
ルビーレーザー
アレキサンドライトレーザー
炭酸ガスレーザー
乳児血管腫に対するプロプラノロール内服
乳児血管腫とは
いちご状血管腫と以前は呼ばれていた、乳児期でよくみられる赤アザです。
日本での有症率は約1.7%
1)で女児、低出生体重児、早期産児に多くみられます。
部位は頭頸部が最も多く(全体の60%)、体幹(25%)、四肢(15%)
2)と全身どこでも生じます。
平坦な「局面型」、盛り上がった「腫瘤型」、皮下にしこりのある「皮下型」に分類されますが、それらが混合していることも多いです(局面+腫瘤型など)。
下図のように、徐々に自然退縮し3歳時点で30%、5歳で50%、7歳で70%の児童において赤みなどは消失しますが
2)、未治療の場合24.8~68.6%に瘢痕などの後遺症が残ることが報告されており
3)-5)、早期治療が有用です。
1) Hidano A et al.: Pediatr Dermatol 3(2): 140-144, 1986 2) 血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017
3) Bowers RE et al. Arch Dermatol 82:667–80,1960 4) Baselga E et al.:JAMA Dermatology 152(11):1239-1243, 2016
5) Bauland CG et al.:Plast Reconstr Surg 127(4):1643-48, 2011
乳児血管腫の経過
乳児血管腫に対する治療
レーザー治療:パルス色素レーザーを定期的に繰り返し行っていくと早期に色調が薄くなるため非常に効果的です。しかし、レーザー光は皮膚深部まで到達しづらく、腫瘤型には効果が弱いことがあります。
ドライアイス圧低法:ドライアイスを繰り返し当てる方法です。腫瘤型にも有用な場合があります。
プロプラノロール内服:腫瘤型に対しても有用です。
プロプラノール内服治療のスケジュール
当院ではプロプラノール発売前の臨床試験の段階から同治療を行なっており、多くの症例を経験しております。
入院、外来でのいずれでの導入も行なっており、一人一人の患者さんの要望に応じた治療が可能です。